マスクのつけ方が、新型コロナウイルスをうつす、もしくはうつされる割合を大きく左右する
感染した人と感染していない人が一緒に2~3時間いると、うつす又はうつされる割合はマスクのつけ方で左右される
新型コロナウイルスに感染する感染ルートは、飛沫感染、接触感染、そしてエアロゾル(マイクロ飛沫)感染(対策は「3密」=密閉・密集・密接を避ける)がある。
これらの感染ルートを避ける手段としてマスクがある。しかし、マスクのつけ方でその効果が大きく異なってくる。
飛沫には大きな飛沫から小さな飛沫(エアロゾルとかマイクロ飛沫と呼ばれる)が存在し、大きな飛沫は1~2メートル離れると周辺の人に吸われる可能性は減少する。
ところが、小さな飛沫は空気中に浮遊し、2~3時間も空気中を漂いながらウイルスの感染性を保っている。
したがって、感染した人がマスクを正しくつけて、大きな飛沫や小さな飛沫をできるだけ外に放出しないことが大事である。また、周辺にいる、感染していない人がマスクを正しくつけて、できるだけ感染した人からの大きな飛沫や小さな飛沫を吸い込まないことが大事である。
正しいマスクのつけ方は、マスク(できれば不織布製)を鼻や頬をきっちりカバーした形につけることである。マスク上部のノーズワイヤーをきっちりと鼻の形に合わせて空気が出入りするのを最小限にする。また、両端が両頬に密着していることを確認することである。
顎マスクは全くマスクをしている意味がない。鼻出しマスクも、鼻から出される飛沫やエアロゾルの出入りを許してしまうので、マスクの効果があまり期待できない。顎出しマスクは、口から出される飛沫などを飛散させる可能性が大きい。
マスク装着時には、以上の点を常に意識することが重要である。
また、マスクの表面は、感染した人が周辺にいる場合には、そのような人からの飛沫がたくさんついていると考えられる。したがって、一旦マスクをつけたあとの着脱は耳にかかる紐の部分をもって行い、「マスクの表面は絶対に触らない」と、常に意識していることが求められる。
特に、高齢者は聞き取りが悪くなり、会話中に近寄って話しがちになる。このような状況では、たとえ戸外であっても、正しいマスクの装着が求められる。