新型コロナ以降、CO₂センサーは「空気の状態を見える化する道具」として広く知られるようになりました。 学校、飲食店、オフィスなど、さまざまな場所で導入が進み、厚生労働省をはじめ多くの公的機関も使用を推奨しています。
しかし、一般の方からはこんな疑問をよく耳にします。
「CO₂が1,000ppm以下なら安全なの?」 「感染者が何人いるかでリスクは変わるのでは?」
この記事では、CO₂センサーの“本当の役割”と“限界”を、できるだけわかりやすく整理します。
1. CO₂センサーは何を測っているのか?
CO₂センサーが測定しているのは、 空気中の二酸化炭素(CO₂)濃度です。
CO₂は人の呼気に多く含まれているため、密室では次のような条件で濃度が上がります。
- 部屋にいる人数が多い
- 長時間滞在している
- 換気が不十分
つまり、CO₂濃度は 「その空間に人の呼気がどれだけ滞留しているか」を示す指標です。
2. CO₂濃度から“空気のよどみ具合”がわかる
CO₂濃度は、空気の状態を知るための非常に便利な指標です。
- 1,000ppmを超える → 換気が不足している可能性
- 1,500ppm以上 → 呼気が大きく滞留している
- 2,000ppm以上 → ほぼ確実に換気不足
厚生労働省が「1,000ppm以下を目安に」と推奨しているのは、 呼気が過度に滞留しない環境を維持するためです。
CO₂センサーは、空気の汚れ具合・よどみ具合をリアルタイムで把握できるという点で非常に有益です。
3. しかし、CO₂センサーでは“ウイルス量”はわからない
ここが最も重要なポイントです。
CO₂は「呼気の量」を測っていますが、その呼気が感染者のものかどうかの区別できません。
つまり、
- CO₂が低くても、感染者が複数いればリスクは上がる
- CO₂が高ければ、感染者が1人でもリスクは上がる
ということです。
CO₂センサーは空気の状態は教えてくれるが、ウイルスがいるかどうかは教えてくれないという限界があります。
4. 感染リスクは“複数の要因”で決まる
感染リスクは、ざっくり言えば次のような要素の組み合わせです。
- 換気の良さ(CO₂で推定できる)
- 感染者の人数
- 発話量(大声・運動など)
- 滞在時間
- 部屋の広さ・気流の流れ
CO₂センサーが教えてくれるのは、このうちの 「換気」だけ。
だからこそ、CO₂が低い=絶対安全ではありません。
しかし逆に言えば、CO₂が高い=確実に危険という判断はできます。
5. CO₂センサーの“有益性”と“限界”をまとめると
✔️ CO₂センサーの有益性
- 空気のよどみ具合をリアルタイムで把握できる
- 密室での滞在時間や人数の影響を可視化できる
- 換気のタイミングを判断しやすくなる
- 1,000ppm以下を維持することで、感染リスクを確実に下げられる
✔️ CO₂センサーの限界
- 感染者の人数はわからない
- ウイルスの量は測れない
- 気流の偏り(局所的な滞留)は把握しにくい
CO₂センサーは万能ではありませんが、「空気の状態を知る」ための最も手軽で信頼できるツールであることは間違いありません。
6. まとめ:CO₂センサーは“空気の安全性を判断するための基礎ツール”
CO₂センサーは、感染対策において換気の見える化という非常に重要な役割を果たします。
ただし、
- 感染者の人数
- 行動(発話・運動)
- 滞在時間
といった要素と組み合わせて考えることで、より正確なリスク判断ができます。
CO₂センサーは、空気の汚れ具合を知るための強力な道具であり、 感染リスクを考える際の“土台”となる情報を提供するものと理解して使うことが大切です。



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