その空気、吸って大丈夫ですか?――CO2センサーで暴くインフルエンザウイルス・RSウイルス・風邪ウイルスの潜伏場所

感染症あれこれ

インフルエンザやRSウイルス、風邪の原因ウイルス。これらは咳やくしゃみだけでなく、単なる呼吸や会話から漏れ出す「エアロゾル(微細な霧)」として、数時間も空気中を漂います。 これを避ける唯一の方法は、誰かが一度吸って吐き出した「中古の空気」を吸わないことです。その「中古率」を正確に教えてくれる唯一の武器が、CO2(二酸化炭素)センサーなのです。

エアロゾル」の正体

かつては「5マイクロメートル(μm)より大きいのが飛沫、小さいのが飛沫核(空気感染)」と明確に分けられていました。しかし現在では、その中間にあたる「エアロゾル(微細な霧のような粒子)」が、数分から数時間にわたって空気中を漂い、感染を引き起こすことが分かってきています。

  • 飛沫 : 重いため、1〜2メートルですぐ地面に落ちる。
  • エアロゾル : 非常に軽く、換気の悪い場所では部屋の隅々まで広がる。

エアロゾル感染効率を左右する環境要因(空間の状態)

  • 湿度 : 空気が乾燥すると、放出された飛沫の水分が蒸発して軽くなり、エアロゾル化が加速します。
  • 換気 : 窓を閉め切った部屋では、エアロゾルの濃度がどんどん濃くなり、感染リスクが跳ね上がります。

筆者(私)は、新型コロナがどんどん大きな問題になっていった2020年後半から2021年にかけて、CO2センサーの持ち歩きを始めていました。当時、阪急宝塚線とJR環状線を比較していました。

  • 阪急電鉄: 拭き取り消毒を徹底していましたが、車内のCO2濃度は梅田駅に近づくにつれ、人の呼気で徐々に上昇していきました(ただ、感染するほど高い値にまでは達していませんでしたが)。
  • JR西日本: 一方でJRは空調管理とドアの開閉による換気が機能しており、数値は低く安定していました。

「表面を拭く」接触対策と、「空気を入れ替える」換気対策。どちらがエアロゾル感染に有効かは、数値が雄弁に物語っていたのです。

「エアロゾル」の正体

かつては「5マイクロメートル(μm)より大きいのが飛沫、小さいのが飛沫核(空気感染)」と明確に分けられていました。しかし現在では、その中間にあたる**「エアロゾル(微細な霧のような粒子)」**が、数分から数時間にわたって空気中を漂い、感染を引き起こすことが分かってきています。

ビルの奥まった場所にあるスナックや飲食店、カラオケ店。ここで自衛するには、お店が入口に置いているセンサーを鵜呑みにしてはいけません。

  • レジ横の罠: 外気が入る入口付近は常に数値が低く出ます。
  • 奥まった客席の現実: 実際に自分が座る席で測ると、数値が入口の3倍以上に跳ね上がっていることが多々あります。特に、塊になって大勢の人が大きな声で話し合っているところなどは要注意です。

「なんとなく怖い」という不安は、数値が下がった瞬間に消え去ります。

  • 実験: 1,500ppmを超えた室内で、対角線上の窓をわずか数センチ開けてみてください。スルスルと数値が安心な1,000ppm以下まで落ちていく様子は、まさに「安全が手に入った」という快感です。
  • 自衛のアクション: 数値が高ければ、滞在時間を短くする。窓を開けてもらう。あるいは、その店を出る。数値を知ることで、私たちは自分の健康を自分でコントロールできるようになります。

今の多くの携帯型センサーは、正直まだ「重くて、充電が必要な、無骨な測定器」です。自衛を広めるためには、この携帯性の工夫が不可欠です。

  • 理想の未来: スマホに標準内蔵され、あるいはスマートウォッチやカード型の薄さで、誰もが「今、この空気は新鮮か?」を瞬時に判断できる社会。「空気の質を知る」ことが、時計を見るのと同じくらい当たり前になったとき、呼吸器感染症の脅威は劇的に抑え込まれるはずです。

エアロゾル感染は、決して新型コロナウイルスだけの問題ではありません。冬のインフルエンザウイルスも、子供を苦しめるRSウイルスも、すべては「中古の空気」を介して広がります。私たちは、自分の吸う空気を選ぶ権利があるのです。

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