介護施設や高齢者施設におけるAMR(薬剤耐性)対策

細菌感染症

AMR問題とは:抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増え、入所者の命に関わる深刻な感染症リスクが高まることです。主な課題は抗生物質の不適切な使用(風邪への処方など)、感染対策の徹底不足(手洗い、消毒、物品管理の甘さ)、そして医療機関との連携不足です。これにより施設内で耐性菌が定着・拡散し、治療困難な状況を招くため、抗生物質の適正使用と感染管理の強化が急務とされています。 

  • AMRとは何か: 細菌が抗生物質に“慣れて効きにくくなる”現象で、 最終的には「効く薬がなくなる」
  • 誰の問題か: 「医師や病院だけの問題」ではなく、 患者・家族・介護職員・施設職員・社会全体の抗生物質の使い方が積み重なった結果。
  • なぜ今話題なのか: 新しい抗生物質の開発が追いつかず、 「いまある薬をいかに長く効かせ続けるか」が世界的な課題になっている。
  • 規制がゆるく、コンビニや薬局で抗生物質が簡単に買える国がある
    • 風邪や軽い下痢のたびに自己判断で抗生物質を飲む → 耐性菌を増やす。
  • 畜産業での大量使用
    • 家畜の成長促進や感染予防のために、えさに抗生物質を混ぜて継続投与。
    • その結果、家畜由来の耐性菌が肉・環境・水を通じて人間社会に広がる。
  • グローバル化で日本も無関係ではない
    • 食品・人の移動で、海外で生まれた耐性菌が日本にも入ってくる。
    • 抗生物質が効かない…流行している百日ぜきでも 薬剤耐性菌が拡大 サイレントパンデミック警戒    (産経新聞2026年7月17日)    
  • 高齢者(特に入院中)にAMRについて熟知してほしい 

  • 抗生物質を使う機会が多い
    • 尿路感染症・肺炎・褥瘡感染など、感染症が起こりやすい。
  • 免疫力が低く、重症化しやすい
    • 同じ耐性菌でも、若い人より高齢者のほうが命に関わりやすい。
  • 病院は耐性菌が集まりやすい場所
    • 多くの患者に抗生物質が投与されるため、選択圧が強い。
  • 「抗生物質は万能薬ではない」
    • 風邪など、原因がウイルスの感染症には効かない。使っているとAMRを産み出すことになる。
  • 処方された抗生物質は“指示どおり最後まで”
    • 「良くなったからやめた」は、耐性菌を育てる原因になる。
  • “抗生物質が効かない菌”に感染した時のイメージ
    • 入院が長引く、強い薬が必要になる、副作用のリスクも増える、といった“現実的な不利益”を具体的に。
  • 「医師があえて抗生物質を出さない」理由
    • それは“意地悪”ではなく、“将来必要なときの薬を守るため”であること。
  • 母体だけでなく胎児にも影響しうるため、使える抗生物質に制限がある。
  • 尿路感染症・膣内細菌叢の乱れ・破水後感染など、妊娠特有の感染症リスクがある。
  • 性感染症(STI)とAMRの問題も関連してくる(淋菌など耐性菌が多い)。
  • 「必要なときには、きちんと抗生物質を使う」ことも重要
    • 「薬=悪」ではない。感染を放置するほうが母子ともに危険なこともある。
  • 「自己判断で余っている薬を飲まない」「家族の薬を分けてもらわない」
    • これはAMRと安全性の両面でNG。
  • 海外旅行・海外出身パートナーがいる場合のリスク
    • 海外の耐性菌を持ち込む可能性があることを認識
  • 褥瘡・尿路感染・誤嚥性肺炎などが“慢性的に続く”環境
  • 抗生物質使用歴の多い入所者が集まっているため、 耐性菌が施設内に“常駐”しやすい。
  • ひとりの入所者の耐性菌が、 職員の手指・器具・環境を通じて全体に広がる可能性。
  • 「抗生物質を“お願いする”前に、まず感染対策」
    • 手指衛生、排泄物・体液の適切な取り扱い、口腔ケアなどで、 抗生物質が必要になる感染症そのものを減らせる。
  • 「同じ利用者に何度も抗生物質が出ている状況」の意味
    • その利用者自身が耐性菌の温床になりうること。
    • 結果的に、施設全体のリスクになること。
  • 「指示外の抗生物質使用はしない」
    • 点眼薬・軟膏・残薬なども含めて、職員の判断で使い回さない。
  • アウトブレイク時の“耐性菌”の可能性
    • 同じ菌種で何度も発生する、治療してもなかなか良くならない場合は、 耐性菌の可能性がある → 早めに医療機関・感染管理担当者に相談する重要性。

  • 畜産現場での大量投
  • 不必要な処方だが、“なんとなく”求める患者側の意識
  • 規制がゆるい国での“抗菌薬のコンビニ化”
  • 余った抗菌薬をとっておいて、自己判断で使う家庭内の文化
  • 「世界で生まれた耐性菌は、日本にも必ずやってくる」
    • 食品輸入・旅行・クルーズ・留学生などを例に、イメージしやすくする。
  • 「だからこそ、私たちが“ここで”できることがある」
    • 抗生物質を必要なときに、必要なだけ、正しく使う。