なぜ「奥まった飲食店+カラオケ」は空調が不十分になりやすいのか

ウイルス感染症

最近、私の運営している姉妹ブログ「暮らしのヒント.online」に載せた記事”換気が充分かどうかは部屋にCO2センサーを置くだけで判ります“で、新型コロナウイルスの感染伝播ルートが「エアロゾル」が多いことから、CO2センサーで測定しながらの空調管理の重要性について発信しました。

今回は、空調管理に関する「奥まった飲食店+カラオケ」の現在の状況についての感想です。

  • ビルの奥側は窓がない、換気口が限られるなど、外気導入のルートが少ない
  • 結果として、換気量が不足しやすい
  • カラオケは密閉空間で複数人が長時間滞在する
  • 飲食+会話+歌唱でCO₂濃度が急上昇しやすい
  • 防音のためにドアや壁が厚く、隙間も少ない
  • その分、空気の入れ替えがさらに難しくなる
  • ダクトの老朽化
  • 換気扇の能力不足
  • 店舗ごとの改装で空調バランスが崩れることもある

その結果として起きやすいこと、

  • 空気がこもる
  • においが残る
  • CO₂濃度が高くなり、眠気・頭痛・だるさにつながる
  • 感染症リスクが相対的に高まる

1. 換気量の確保(外気導入の絶対量)

なぜ重要か

  • 奥まった構造・防音構造により外気が入りにくい
  • CO₂濃度が上がりやすく、感染リスク・体調不良・クレームにつながる

最低限の取り組み

  • 外気導入量の確認(設計値と実測の差を把握)
  • 給気・排気のバランス調整
  • 換気扇・ダクトの清掃と能力維持
  • 必要に応じて簡易外気導入装置サーキュレーター併用で空気の流れを作る

2. CO₂濃度の常時モニタリング

なぜ重要か

  • 密閉性が高く、人数変動が大きい環境では、換気量の「感覚管理」が通用しない
  • 歌唱は飛沫量が多く、CO₂上昇も早い

最低限の取り組み

  • 各部屋ごとにCO₂センサーを設置
  • 1500ppmを超えたら換気強化・入室人数調整などの運用ルールを設定
  • スタッフが数値を見て行動できるように教育

3. 空気の流れ(エアフロー)の確保

なぜ重要か

  • 防音構造は密閉性が高く、空気が滞留しやすい
  • 換気量があっても「流れ」がなければ効果が出ない

最低限の取り組み

  • 給気口 → 客席 → 排気口の流れができているか確認
  • サーキュレーターで空気の滞留を解消
  • ドア開放が可能なタイミングを運用に組み込む(入れ替え時など)

4. 空調設備のメンテナンスと能力確認

なぜ重要か

  • 古いビルでは空調能力が不足しているケースが多い
  • フィルター詰まりやダクト汚れで換気能力が大幅に低下する

最低限の取り組み

  • フィルター清掃・交換の定期化
  • ダクトの詰まり・劣化の点検
  • 換気扇の風量測定(最低年1回)
  • 必要に応じて設備更新の検討

なぜ重要か

  • 歌唱は飛沫量が多く、CO₂上昇も早い
  • 小部屋・密閉空間では人数が増えるほど換気が追いつかない

最低限の取り組み

  • 部屋の広さに応じた人数上限の設定
  • 長時間利用時の換気タイム(入れ替え時の強制換気)
  • 混雑時の入室制限

なぜ重要か

  • 設備が良くても、運用ができなければ意味がない
  • 現場判断で換気が止められるケースもある

最低限の取り組み

  • CO₂数値の読み方と行動基準
  • 換気タイムの運用
  • 空調・換気設備の基本的な扱い
  • トラブル時の対応(換気扇停止、異臭、CO₂急上昇など)

カラオケは高齢者にとって衰えた喉筋を鍛えるのに効果的との提案がある一方で、空調が不十分になりやすい場所でもあります。最低限の「奥まった飲食店+カラオケ」「重点課題」は以下の6つ:

  1. 換気量の確保(外気導入の絶対量)
  2. CO₂濃度の常時モニタリング
  3. 空気の流れ(エアフロー)の確保
  4. 空調設備のメンテナンスと能力確認
  5. 入室人数と利用時間の管理
  6. スタッフの理解と運用ルールの徹底

✅ビル奥・カラオケ併設店舗の空調・換気の重点課題チェックリスト

■ 換気量の確保(外気導入)

  • [ ] 給気・排気設備が稼働している
  • [ ] 外気導入口・排気口に詰まりや閉塞がない
  • [ ] 換気扇の風量が設計値に近い(年1回以上の測定)
  • [ ] 外気導入が不足する時間帯にサーキュレーターを併用している
  • [ ] 入れ替え時にドア開放などの換気タイムを設定している

■ CO₂濃度のモニタリング

  • [ ] 各部屋ごとにCO₂センサーを設置
  • [ ] 1500ppmを超えたら換気強化・人数調整などの運用ルールがある
  • [ ] スタッフがCO₂数値を確認し、行動できる体制がある
  • [ ] センサーの電池・電源・通信状態を定期確認している

■ 空気の流れ(エアフロー)

  • [ ] 給気 → 客席 → 排気の流れが確保されている
  • [ ] 空気が滞留しやすい場所にサーキュレーターを配置
  • [ ] 防音のための密閉構造が換気を妨げていないか確認
  • [ ] カラオケルームの入れ替え時に強制換気を実施

■ 空調設備のメンテナンス

  • [ ] エアコンフィルターを月1回以上清掃
  • [ ] ダクトの汚れ・劣化を年1回以上点検
  • [ ] 換気扇の異音・能力低下がないか確認
  • [ ] 設備更新が必要な場合、見積もりや計画を検討している

■ 入室人数・利用時間の管理

  • [ ] 部屋の広さに応じた人数上限を設定
  • [ ] 長時間利用時の換気タイムを導入
  • [ ] 混雑時の入室制限ルールを設ける
  • [ ] 歌唱時のCO₂上昇を考慮した運用ができている

■ スタッフ教育・運用ルール

  • [ ] CO₂数値の読み方と行動基準を共有
  • [ ] 換気タイムの運用方法を明確化
  • [ ] トラブル時の対応(換気扇停止・異臭・CO₂急上昇)をマニュアル化
  • [ ] 新人スタッフにも空調・換気の基本を教育