新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちに「空気」という存在を強く意識させた。それまで空気はそこにあるのが当然で、何も疑うことなく吸い込んでいた。ところが、ある日突然、その空気が不安の対象となった。感染が拡大し始めた当初は、飛沫感染対策としてマスクの着用、接触感染対策として手洗いやアルコール消毒の必要性が強調された。しかし集団感染事例の報告が相次ぐにつれ、問題は「密」にあるとされ、密対策として換気の重要性が指摘されるようになった。さらにその後、多くの人が初めて「空気感染」という言葉を意識するようになった。現在では、新型コロナウイルス感染症に限らず、多くの感染症が空気中を漂う微小粒子、すなわちエアロゾルを介して伝播する可能性が広く認識されるようになった。社会は徐々に日常を取り戻し、マスクを外す人も増え、イベントも再開され、コロナ以前の日常に戻っている。しかし、すべての人が安心して生活しているわけではない。特に、がん治療中の人、臓器移植後の人、自己免疫疾患の治療を受けている人、高齢者、そして妊娠中の女性など、多くの人々が「免疫機能が低下している人、いわゆる免疫弱者」と言われ、現在も外出に慎重である。その家族もまた同じ不安を抱えている。感染を完全にゼロにすることは難しいとしても、CO₂センサーを用いて測定した二酸化炭素(CO2)の濃度は、空気の滞留度を示す指標となる。見えない空気の状態を数値として確認することで、行動可能な情報に変換することができる。したがって、この方法で「空気を見える化」しながらの行動は、感染者の呼気を吸い込むリスクを極力下げることに効果的であり、この考え方は世界的にも認められている。そこで、今回CO₂センサーの示す値を行動判断の基準にして、できるだけ外に出て活動的な日々を送ることを提案したい。
空気中のCO2濃度と感染症リスク
バムサジャーナルへの掲載総説


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