今年は手足口病患者が多い

ウイルス感染症

2024年の手足口病(手のひら、足の裏、口の中、ひざやお尻に発疹や水疱が出現;多くは熱が軽度)の流行は4月ごろから起こり、5月~7月は患者数(多くは乳幼児の間で)が大きく増えていきました。現在の8月も患者数が多い状況が続いています。

この手足口病の原因は、ピコルナウイルス科のエンテロウイルス属に分類されるウイルス(非常な多様なウイルスが含まれる)のうち、コクサッキーウイルスA群(特にA6、A16、A10)、およびエンテロウイルス71(EV71)の4つのウイルスによる感染です。

これらのウイルスは腸など消化器系で増えます。また、呼吸器系にも感染し、そこで増えることもあります。したがって、飛沫感染、接触感染、糞口感染などを通して感染が広がります。たとえば、乳幼児の集団生活の場である保育所などが主な感染伝播の場と考えられます。

このウイルスはエンベロープと呼ばれる、脂質の膜に覆われた構造をしていないことで、アルコール消毒が効きません。次亜塩素酸ナトリウム(一般では、ハイターを薄めておもちゃなどの遊具類、またテーブル・椅子などの消毒に使用)やポピドンヨード(うがい薬として使用)が効果的とされています。

手足口病と同様、コクサッキーウイルス(特にA群のA2、A4、A5、A6、A10型など)やエコーウイルスなどのエンテロウイルスが原因になっている感染症にヘルパンギーナ(突然の高熱、のどの痛み、口の中に水疱や潰瘍が出現)があります。これも夏に流行し、5歳以下の小児に多く見られる病気です。




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